ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

「みらいめがね」感想

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ラジオ番組「荻上チキ・セッション」を時々聞きます。滾々と的を得た情報が流れ出てきて、硬質な番組イメージですが語り口はソフト。荻上さんはどういう人なのか気になって本書を読みました。

この本は、荻上チキとヨシタケシンスケの言葉が響き合って、未来への見通しに期待したくなる話が書かれています。

 

めがね。今でこそ薄いレンズのめがねが主流ですが、私が子どものころは牛乳瓶の底みたいな厚いレンズのめがねもありました。それをバカにする子どもも日常的に見られました。それを逆手にとった笑いもありましたが。

今日のめがねも子どもの気持ちを傷つけることがあるかもしれませんが、一方で容姿を魅力的にみせる素敵なアイテムという認識も広がりました。

めがねにポジティブな印象を持てるようになったのは、コンタクトレンズとの競争など厳しさもあると思いますが、めがねの好感度を地道に積み上げてきためがねに関わる人たちの力が大きいのかもしれないと妄想すると、未来を見るのに良いアイテムだと感じます。

 

巻末で荻上さんは闘っていく文章を、ヨシタケさんは啓いてゆく文章を書かれていたところが、やはり心に残りました。

お二人は多様な生き方へ向けて闘い、啓蒙していくために、肯定していく文章を書かれたのだと感じました。

 

また荻上さんは

妖怪文化は異形の者たちとの共生の知恵が見える

と書かれていて、実際に昔の日本で妖怪とうまく折り合って生活していたかは不明だけれど、妖怪と共生できる世界のアニメ作品を再見したくなりました。

 

荻上さんの言葉で共感したのは、「むき出しの悪感情が苦手」というところ。

私もたびたびつらくなって、「こういう感覚は自分だけなのかな……?」と思ってきたので、似たような人がいることに安心しました。

しかし荻上さんはそう書きつつも、長く言葉を使って仕事を続けられているので、自分もなんとかブログくらいは続けていきたいです。

 

本書は荻上さんの弱さが見える話が多かったように感じました。しかし、書かれた弱さによって荻上さんは、「にもかかわらず」続けている人であるという魅力が、より強く浮かび上がってくる印象を受けました。

本書は、荻上さんの弱くても生きてゆける未来を見通す言葉に、ヨシタケさんがユーモアあるイラストで返事をかえす往復書簡のようでした。

 

 

みらいめがね それでは息がつまるので

みらいめがね それでは息がつまるので