ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

2019年上半期の読書振り返り

2019年上半期は大きく読書ペースが落ちた。しかし、いい本との出会いもあった。

質より量でやっている読書で、出会えてよかった5冊をあげてみます。

 

 

①道なき未知

森博嗣が若い人に向けて書いた、物事の見方を伝えるアドバイス集。

森博嗣のエッセイは、何冊か読むと、同じことの切り口を変えて書いたものが多い。

でも老人の私が読んでも、良いものだった。

研究者であった経験から、ドライな損得勘定で割り切るような視点が多い。

生きることをウェットに考える人には、合わないかもしれない(私も合わないところはある)。

しかし、致命的に大事なことも書いてある。例えば「道は探すものではなく、道は築くものだ」というように。

生存バイアスのかかった言葉ではあると思うが、そういうことでもまとまった量の整った文章で読めることはありがたい。

道なき未知 Uncharted Unknown

道なき未知 (ワニ文庫)

 

②なぜヒトは学ぶのか

教育学の本。人の学習能力は、5割くらいが遺伝で決まるとか。そんな出来レースみたいな中で、学ぶ意味とは。


一人ひとり異なる遺伝の影響が教育によってあぶりだされるからこそ、ヒトはみな異なった知識の使い方をすることによって互いに助けいあいながら生き伸びることができてきたのです。

 

教育で大事なのは、「どう」学べば他人と比べて成績を上げられるかではなく、むしろ「何を」学べばあなたが行きていくのに意味があるか。

 

学歴カーストが影を落とす社会で、こういう根拠のある考え方が広まればいいのになと思う。

なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える (講談社現代新書)

 

③世界初を作り続ける東大教授の「自分の壁」を越える授業

ビジョンを持つこと、そして実行すること。それが人生を楽しむ方法なのだろう。

研究の世界で世界初ということは、先駆者がいないことであり、その心細さがつきまとうことだ。

森博嗣『未知なる道』が広い意味での人生訓なら、『自分の壁』はもう少し具体的にサバイブする方法が書かれていると感じた。

世界初をつくり続ける東大教授の 「自分の壁」を越える授業

 

④なぜ柳家さん喬柳家喬太郎の師匠なのか?

俺がお前たちにやれるものは水しかない。肥しはやれない。

水をやったところで、花を咲かせるのは弟子。

花に色を付けたり、大きな花にしたり、可愛い花にしたりするのは弟子自身。

俺がお前たちに小さな可愛い花になれとか、大輪になれとか、そういうことは教えられないし、押し付けるつもりもない。

 

最近、別のモチベーションに関する本を読んでから思ったのは、さん喬師匠は弟子にモチベーションを上げろなんて決して言わないだろうし、そういう姿勢が弟子を邪魔しない。大事なのは、邪魔してモチベーションを下げさせないということなのだと、しみじみ思った。

ここでいう水とは、環境のことなんじゃないかなと思ったのでした。

なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか? (文芸書)

 

⑤学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

岡田麿里さんの半生の伝記。

全体的な話が引きこもりについて書かれている印象だったが、誰かヒトとの出会いが人生を変えるというのは普遍的なことで、岡田麿里さんの書かれた物語もそうなのかもしれない。

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで