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ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

トップランナーに心揺さぶられて

写真 日常 雑記 趣味

 昼前に起き出して、「今日は晴れらしいけど何をしようか」と思っていたら、友人から電話があった。

「東京から来ている友人をもてなすために、阪神競馬場に今すぐ集合!」

「えー、わかった...」

 だいたい友人からの誘いは急だ。急に声をかけても集まれるから、友人なのだろうけれど、「わかっていた昨日の時点で声をかけてくれよ...」と思いつつ、準備して阪急電車に乗って、1時間ほどで阪神競馬場へ。「今日は宝塚記念か」と道中で気づいた。 

 「宝塚記念」は競馬ファンの人気投票で、出走権が得られるレースで、年間のレースの前半の締めくくりとされている。ちなみに年末の締めくくりは、やはり人気投票で出走できる、「有馬記念」だ。

 

 道中の電車も、競馬を見たいお客さんでいっぱい。競馬場に着いたらもっといっぱい。だいたい10レースの発走時間について、友人の買ってくれたピザとチョリソー、そしてビール。梅雨の合間の、夏日。日差しが暑かったが、ビールと食べ物がそろうと、これは久しぶりの競馬日和だと思った。競馬を楽しまないと。

 メインレースの宝塚記念の馬券は、同い年の福永祐一が手綱を握る⑤シュヴァルグラン複勝で買った。

 

 レース前のターフビジョンに観戦に来ていた笑福亭鶴瓶がおおうつしにされて、阪神競馬場が盛り上がり、その流れでG1のファンファーレが鳴り始めた。でも遠くて演奏は直接聞こえない。しかし競馬ファンは手拍子で、一体になる。

 そして、発走。逃げ馬の武豊が手綱を握る、キタサンブラックが緩いペースで先頭を走っていく。この緩いペースがなんとも憎い。さすがの武豊という、キタサンブラックに圧倒的有利な展開。

 4コーナーから直線に馬群が向いても、キタサンブラックは絶妙な位置で先頭に立ち、他の馬と一緒に走るペースを上げていくので、ゴール400m手前ではもうキタサンブラックの優勝は確実のように見えた。

 

 しかし競馬の終盤にはドラマが待っている。7,8割勝てたところでレースの勝負が決まることもあるが、今回キタサンブラックのリードは大きくなかった。そこに牝馬マリアライトがじりじり差を詰めて、ゴール前でキタサンブラックを追い越して優勝。2着は人気だったドゥメランテが入り、キタサンブラックの結果は3着だった。レース中から見せ場のなかったシュヴァルグランは9着。もうちょっと頑張ってほしかった。

 

 終わってみて印象に残るのは、武豊の変わらないすごさだった。私が馬券を買い始めた頃(もう10年以上前から)、武豊は圧倒的にトップクラスの騎手で、「武豊を買っておけば間違いない」なんて言われることもしばしばだった。

 武豊はこの10年ほどでスランプと思われる時期もあったと思うが、それでも勝ちを重ね、レースで見せ場をつくれる、すごい騎手であるのに変わりがない。そんな武豊も今年で47歳だ。怪我や事故が無く、カミソリの刃のようにコンディションを整え続けても、サラブレッドに乗り続けられるのは、あと7,8年なんじゃないだろうか。

 今日、2年ぶりくらいに、競馬場で競馬を見て、武豊を見て、「武豊の引退までのレースを見届けていたいな」と思った。なんとなくだけれど、明日からも生きられる気がする。