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ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

得意なことに逃げない

 ある程度の年齢になると人間は得意なことに逃げるようになるんです。そうすると得意なことがダメになっていきます。上手く行かないことを得意なことで解消するというサイクルに陥ってしまうと、得意なことが得意でなくなっていくし、楽しくなくなってしまいます。
「おとなになるってどんなこと?」p117

 

 ギクリとする言葉だ。吉本は得意なことに逃げることを「依存」とまで書いている。
 写真教室に通っていた頃に知り合った教室の生徒仲間が、写真家として独立したという話を聞いたりすると、自分は写真だけの人になってはいけないな、と勝手に思っていたりする。
 得意なことは極めていった方がいいけれど、生きていく上での視野は広く持っていないと、先細りするというのが吉本の意見で、視野として仕事、楽しいこと、生きがいがつながっていることで、いろいろなことが豊かになっていくと、この本を締めくくっている。
 
 自分も写真を続けて8年目に入って、写真だけやっていても、これまでのような成長速度で、広がらない感じがしている。
 だから文章を書いてみたり、楽器にさわってみたり、いわゆる初心者丸出しなものを創ってみて、「あぁ下手だなぁ」としみじみ思っている。
 ある分野で自己評価が大きくなりすぎても、世の中と折り合いがつかないし、トータルでみれば凡人に過ぎないということを、謙虚に実感していたい。本当は、そういうことを言ってくれるパートナーがいれば良いのだろうけど。
 上手くできるからやるのではなく、下手でもやってしまうことに、なにか見いだせないかと期待している。そういうことで、自分の得意な枠からはみ出してしまうことを、広げていけないかなと。でも過剰な期待は禁物かな。

 

 この本で思ったのは、自分の感覚をじっくり観察して、それを正確に捕らえて、表出させることができるようになりたい、ということだった。

 

おとなになるってどんなこと? (ちくまプリマ―新書)

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