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ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours

涼しくなったら観に行こうと思っていた、ウォルフガング・ティルマンス「Your Body is Yours」の展示を国立国際美術館に観に行ってきた。

感想を書こうと思うのだけれど、たぶん的外れになる。(正直、あまり書きたくない、それは答え合わせをしたいからではないからだと思う。だから、私が受け取ったことしか書けない)

保坂和志は小説を読んだ後に「こういうことが書いてあった」というのは、できるものではなく、小説は小説の文章を読んでいる中にある、と書いている(うろおぼえだけれど)。そして、私は何かを要約できるということは、それに余分が多いのだと思うようにしている。

そういう意味で、ティルマンスの写真を2時間以上見続けたのだけれど、飽きることなく、もっと見てみたいと思う展示だったので、イメージの中にティルマンスの伝えたいことは見えた気がしたし、イメージはあふれかえっていた。

展示されていたイメージは、世界の政治経済の問題、科学技術の進歩、戦争、自殺、ポートレートなどだった。日本での展示ということで、日本を題材にした展示が見られたのは理解しやすかった。

ティルマンスが撮った(と思われる)写真が多かったけれど、イメージとして新聞やネットからの切り抜きも展示の中では、重要な意味があったように思う。切り抜きは英語の物が多いけれど、日本語のウェブから切り取った物もあったので、理解しやすかった。


生活の中でよく目にする感情的な写真はあまりなく、パンフォーカスで淡々としたイメージがほとんどだったと思う。それは、写真で感情的になるのではなく、テーマで感情を表現してあるからかもしれない。
ティルマンスの写真は、写真が上手いと伺い知ることができる写真もあったけれど、それよりも大事なのはテーマなんだ、と言っているようだった。

私が感じたのは、ティルマンスは世界が直面している問題や、科学技術の進歩を展示を通して、「それで、君はどうする?」ということが伝えたかったのかな、と思っている。そして、その方向性はティルマンスの展示の中にあった。と思う。

現代アートの展示を使ってイメージを伝えるということに留まらず、見た人を触発したいということを感じた新鮮な展示だった。

www.nmao.go.jp