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ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

続けるために


自分の中で大事なのは、良いと思える水準を維持して、あるいは向上させつつ撮れり続けられることだ。
 
そのために、新しい道具を買うのもひとつの手だ。新しい道具には、ワクワクするものがある。
しかし消費によって得た新鮮さは、使用したり接する機会の頻度を調整しても、いつかは慣れたものになる。それは脳の神経構造からして避けられないことだと思う。
 
「世界でひとつだけの幸せ」という本の中では、私の書く「新鮮さ」は「快楽」という言葉で書かれていると思った。
快楽を出来るだけ長く続けるための5つのポイントが書かれていたので、以下に書き出してみる。

1)他人と分かち合う
経験を共有する相手を見つけ、この瞬間をいかに大切に思うかを相手に話す。これは快楽を培っていく上で、最高の判断材料になる。
2)記憶する
イベントにまつわる心温まる写真を撮ったり、記念品を持ち帰り、あとから他人とそれについて思い返す。
3)自分を祝福する
プライドを持つことを恐れてはいけない。自分が他人をいかに感動させたかを言い聞かせ、こうなることをどれほど待ち望んだか思い出す。
4)知覚を研ぎ澄ます
特定のことだけに集中し、外部からの刺激を排除する。
5)没入する
自分を滅し、なるべく思考しないように、感覚だけを研ぎすます。やらなければならないことがあっても他のことは考えないようにし、これからなにが起こるかを期待し、物事がどう進展するかに没頭する。

最近のゲームは、こういうことを確実に狙って設計されていると感じる。
しかしいくら面白くても、ゲームもいつかは飽きる。趣味も新鮮さだけでは、同じことだ。
だからどんどん新しい消費をして、新鮮さやワクワクを維持するというのは、プロでもやっていることだ。
しかしこの新鮮さには、自分の実力を上げるというような、自己効力を感じる部分の蓄積が、あまり無い気がする。
 
その対になるのが「充足感」と「世界でひとつだけの幸せ」では書かれている。以前ブログで紹介した、フロー体験である。フローの概要は以下のような内容だ。

任務が困難であり、技能が必要である
集中できる
はっきりしたゴールがある
すぐにフィードバックが得られる
たやすく深く関われる
コントロールする感覚がある
自己意識が消失する
時間が停止する

「フロー」の核心は、ポジティブも含めたあらゆる感情の欠落にある。
意識と感情は軌道を修正するために存在するのであって、休みなく完璧に物事を行っているときは必要ないのである。

この本の中ではフロー体験を勧めていると思う。でもフローは、生まれつき体験しやすい人と、ほとんど体験しない人がいるらしいので、フローありきでは話が通じないとは思う。
 
私は写真を撮っているとき、自分の技能で満足できるまで挑戦することに集中し、一度に1~2時間くらい時間に意識が行かないことがよくある。
それがフロー体験なのか詳細には分からないが、自分では趣味の写真を続けていく、ひとつの目安ではあると思っている。その没頭感がなくなったときが、その趣味の終わりだと思う。
 
森博嗣が「健康によい、友達ができる、教養が増す、など役に立つものは趣味ではない」ということを書いている。かなりストイックで、気に入っている言葉なのだけれど、この内容の趣味はフロー体験ではないかな、と思う。
 
私は「趣味の時間は楽しいものだ」、と簡単に書いてしまうところがあるけれど、「快楽」と「充足感」、2種類に分けて考えないと、楽しいという意味が通じないことになると思った。
 
趣味を続けるのは、消費によって快楽を得ても良いし、充足感で少しずつ満たしていくのも良いと思う。どちらか一方だけで、続けることを成り立たせることは難しく、自分でその都度どちらにコインを入れるか、考えるものだと思う。

世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生

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