ウサギノオト

ぼんやりした考えを、コネコネしてみる。

ライフログから見えたもの

今年に入ってライフログiPhoneアプリで記録することを始めた。
ライフログを取れば、自分の時間の使い方を自分でフィードバックできて、ダラダラする時間を減らして、趣味の写真や、ブログを書くための時間を増やせるだろう、という魂胆で始めた。
  
今更だが、ライフログは生活や行動(ライフ)を、デジタルデータで記録(ログ)を取ることだ。
個人情報が守られているか気になる人は、始められないかもしれないが、得られるものも一定の価値があると思うので、書いておこうと思う。
  
iライフログというアプリで記録してるのは、時間の使い方である。アプリは行動ごとにストップウォッチで時間経過を計っている。
  
自分のログはiPhoneアプリで見ることが出来るが、自分で設定すればEvernoteGoogleカレンダーにも出力してログを残せる。
Evernoteには毎日のログの他、一週間のまとめも自動集計される。この自動集計が便利だ。
csvファイルで集計したいという上級者は、googleカレンダーからGTimeReportというアプリサービスを使うと、英語のサイトだけれど簡単にカレンダーのデータをcsvファイルに出来る。
  
記憶力の良い人は、アプリで日々のログを眺めてみるだけでも、日々の行動を微調整していけるかもしれない。私は一週間の自動集計の結果が、時間の塊としてふりかえりやすいデータだと思っている。
  
記録している項目は全部で20個くらいなので、自動集計の週間データを手打ちでExcelに入力している。時間使用の割合を計算で出すだけでも、時間管理の意識ができると思う。
  
が、「人間、個人個人の時間の使い方は、個人の自由にはならない。」という話を、「データの見えざる手」矢野和男で読んだ。
「データの見えざる手」は、ウェアラブルセンサーでライフログを残したビッグデータを解析した結果をまとめた本だ。データ量でいうなら、圧倒的に正しい話と思われる話ばかりだ。
この中で、「人間の時間の使い方の分布は、ログに残る活動量の並びで、右肩下がりの直線に載る」という話が出てきて、「人間は時間使用分布のグラフを逸脱して、自分の時間を思い通り自由には使えない」という結論が示されている。この時間の割合は個人によって数値が異なり、直線の傾きが異なる。
  
「これは本当かな?」という気持ちになったのだけれど、自分のライフログを占有時間の割合で並べ替えてみると、振れ幅はあるけれど傾向としては右肩さがりだった。
  
しかし1日は、地球上全ての人間には24時間/日である。
Aという行為の占める時間が長くなれば、他のBという時間が占める割合は減ってしまうのが、私の頭で考えられる普通だ。右肩下がりになるのは、当たり前のように思える。
 
私の写真に使う時間と書く時間の合計は、平均で18%程度。そして一方の時間が増えると、他方の時間は減ってしまう。
矢野さんは、原稿執筆には28.6%まで費やすことが出来るらしい。その割合からすると「自分はマダマダ修行が足りていない」ということが言えるのではなく、趣味に使える時間は18%程度が自分固有の適量なのだ、ということだ。この割合は、仕事をしたりして自分の自由時間に強制介入する行為が入ってくると、当然変わる。
  
私も仕事をしていた時は、毎日のToDoリストを作って、業務に当たることも多かったのだけれど、業務量が多くなるとリストを消化できなくなることもあった。
しかし自分の作業する時間を自分の意志で自在にコントロールできると思っていたから、ToDoリストさえ作れば消化できると思っていたのであって、個人固有の時間占有率が決まっているなら、無理して作ったToDoリストは消化できなくて当たり前ということになる。この考えが一般化すれば、個人の時間占有率に見合った業務内容を計画できない、上司の見込みが悪いということになるかもしれない。
不良債権のようにタスクが積み残る人は、自分を責める前に、自分の作業ができる時間の量を知るためにも、ライフログを取ってみると良いかもしれない。
  
矢野さんの本を読んで、自分の意志で自分の時間占有率を完全にコントロール出来るわけではない、ということが分かって、大きな前提が出来た。時間管理を徹底して、ダラダラの時間を完全にゼロにすることはできないだろう、ということが分かった。ただし、時間管理を意識することについては、やはり重要だと思う。矢野さんは以下のようにまとめている。
 
1)「する必要のない仕事」を特定し、排除すること。
2)「他の人でもやれること」を見つけ、やってもらうこと。
3)「自分のコントロール下にある自由な時間」は実は記録してみると驚くほど少ないことを認識し、そのような時間をひとまとめにして、重要な成果を生むことに使うこと。

 

最後にライフログをとって初めて分かったデータを上げる。普通はAをするとBをする時間は減ると書いたが、AをするとBをする時間も増えるというデータが、1つだけあった。今後も同じ傾向が続く保証は無いし、グラフを見てからふりかえってみれば、そうかもしれないと感じる程度なのだけれど。
それは、読書と睡眠の関係だ。パッと見では怪しいかもしれないけれど、グラフから関係性は強いらしい。
  
もうすこし複雑な解析ができるようになれば、時間活用がもっと上手くなるかもしれないと思っているけれど、数字いじりが楽しい、という状況には入り込まないようにしたいと思う。